三、着座して動作に移る間について

着座して静かに気を落ち着け、十分に体勢を整えた時、 対敵心理に入り業前に移るのである。昔よりこれにつき三 呼吸の数えがある。即ち、着座して静かに二呼吸し、三呼 吸の息を軽く吸い呼んだ時、気を丹田にこめて業に移るの である。然し、これは動作に移る基本的なものであって、 練達した時にはいかなる時に業前に移るとしても、三呼吸 を軽く吸いこんだような体勢になり得るよう修練すること が大切である。また修練を積んだ暁には、いかなる時、い か様の業前に移るとも、三呼吸を軽く吸いこんだ時のよう な態様に入り得るものであり、呼吸に態々気をとられなく とも業前の間に間に、自然的に自覚もなしに立派に出来る ものである。
ここまで修練して、始めて業前が身につくといえるので ある。