立膝之部

修練に対する心構
我が正面に対座する相手の首に斬り付け、 更に諸手上段より斬り下ろしてたおす業前である。
我が正面に対座する相手が、我が右足に右外側より薙ぎ斬って来たのを、 直ちに強く受け払い、退かんとするを機を逸せず上段より斬り下ろしてたおす業前である。
立膝に座す我に、上段に振りかぶって斬りかからんとする相手の 内甲手(又は諸手)に斬り付け、更に機を逸せず真向より斬り下ろして相手をたおす業前である。
正面に対し左向に立膝に座している我と同列右側二人目の相手(一人置いて右隣の者)が、 我が柄頭を取らんとして右前に(右隣者の前位に)大きく出て来たので、 我は左斜後に左足を退いて立ち上がり、相手が後方に退かんとするに乗じてその胸元に斬り付け、 相手を右後方へ引きたおし、上段より胴を両断してたおす業前である。
「浮雲」と同様横列に座している時、右側の相手が我が刀柄を取らんとするを、 我は刀柄を左方に外して相手の手を外し、直ちに柄頭をもって相手の顔面人中に当て、 相手の退かんとする所を追うようにその胸元に斬り込み、右方に引き倒して上段より胴中を 両断する業前である。
横列に座っている時、我が左隣の相手の害意を察知して機先を制し、 直ちに左方に向かい、相手の右胸部を刺突して横に引き倒し、 更に上段より相手の胴中に斬り下ろす業前である。
我が左側に立膝に座す相手の害意を察知して、その機先を制し左方に回転して 相手の首に斬りつけ、更に諸手上段より真向に斬り下ろしたおす業前である。
わが後方に座している相手の害意を察知して、その機先を制して左方に回転し、 相手の首を横一文字に斬り付け、更に真向より斬り下ろしてたおす業である。
何思わず立ち上がろうとした時、我が後に座している相手が我が鐺を握って立ち上がった故、 その相手の手より鐺をもぎ取り、左に回転してその胸元を刺突し、倒れた所を更に踏み込んで 真向より斬りたおす業前である。
正座の部「抜打」と同様である。即ち、我が正面に対座する相手の害意を察知して、 機先を制し刀を抜き真向より斬り下ろしてたおす業である。