四本目  惣留(そうどめ)

[意義]

1.我は狭い板橋、又は堤などを行く場合、或いは階段などで追いおりる等、左右両側に かわせぬような場所を通行している時、前面より相手が仕掛けてくるのをその胸部に斬り付け、 一人宛たおしてゆく業である。【河野百錬先生、山本宅治先生】

2.右前方に多くの罪人を並べ置き、その背後より歩みゆきながら一人一人斬首してゆく業前である。 即ち据物斬りの形である。【森繁樹先生】

[動作]

(イ)
正面に対し進みゆく。
(ロ)
鯉口を切り右手を柄にかける。
(ハ)
同時に右足を踏み出して腰を十分左に捻り、右斜前(階段の時は下方)に抜き付ける。
(ニ)
左足を右足の位置(右足の左隣り)まで引きよせると同時に刀を納める。
(ホ)
右足を出しては又右斜前方(下)に抜き付ける。
(ヘ)
このような斬撃を数回繰り返す。
(ト)
腰を正面に(右)捻って正対し、横に血振るいし納刀する。